「歌唱力を磨き、自分の声を形にする」ということ
昨夜の配信で矢野帆夏が令和の目標のひとつとして、タイトルの言葉を挙げていました。
具体的に
①自分の声をCDに収録してもらうこと
②ソロ公演をやってみたい気持ちがある
③そのほかにもいろんな形にしていきたい
の3点を挙げていました。
①について、これは表題であれカップリングであれ、楽曲を歌うメンバーに選んでもらうことを指してるのだと思います。もっと言えば「選抜になりたい」という意志のあらわれだと思います。これまでも、あれだけ愛してやまない「瀬戸内の声」なのに、自分の声が収録されていないことを残念そうに語る矢野さんを何度か見たことがあります。「自分の声を形にして残す」ために、絶対に必要なのはCDに声を入れてもらうこと。とりわけ、選抜メンバーにはいることはもっともわかりやすく具体的な道なので、次の表題曲で是非実現してほしいなと思っています。
②について、とても攻めた目標で頼もしく感じました。個人的に思うのは、なにも毎年TDCHで行われているソロコンサートでなくてもいいということです。船上劇場ができたので、そこでやれるのがいいのかなと。
ほのたんのソロ公演(仮)で演奏してほしい曲はまたあとで。
③について、いま矢野さんはGO!GO! little SEABIRDS!!公演の中で重要な歌唱パートを任され、立派に演じています。これから各港に寄港しながらこの公演の広がりと定着がすすんでいく中で、矢野さんのナマの声と歌はさらに多くの人の胸に届いていくでしょう。これも形になっていくひとつですね。ここまでの出演メンバーを見ただけでも、陸上公演の時代とは明らかに違いを感じます。現在行われている公演は矢野さんに向いている、と言っていいと思います。彼女の歌、歌唱力が活きる公演になっています。なので、ひとりでも多くの人にSTU48号に乗船してもらって、実際の公演を見てもらいたいです。
〇マイクの持ち手が伝える矢野さんの歌心
なにか意味ありげに書いてしまったけれど実は意味は無いのです。ただ、矢野帆夏が大きく成長するきっかけとなった、AKB48グループ歌唱力No.1決定戦の企画を予選から見ていて、昨年11月から今年3月までの姿を見ていて、最初と最後では同じ人とは思えないくらいに歌が上手くなってた。もともと、ピッチが比較的正確で高音域も可な人だったから他人からは「歌上手だね」と言われるくらいのレベルだったのだけど、特に最後の最後にきてすごく変わったなという印象。「ここが節目だったかな」みたいなタイミングを個人的には考えるけど、かなり抽象的でわかりにくのでちょっとマイクの持ち手に着目してみただけ。
①予選:「君って」 マイク→右手
最初に放送で見た時には、おおっ!上手い!とか思ったけれど、今冷静に見返して見ると発声とかお腹の使い方とかずいぶんと違ってるような印象。もちろん今が素晴らしいという意味で。
②決勝のリハーサル:「Goodbye Yesterday」 マイク→右手
音程が全部フラット気味なのはリハーサルだからかな。このリハ映像を放送してくれたのはほんとに貴重だった。リハと本番がほとんど変わらない子がいたり、ガラッと変わってくる子がいたりで、見ていてすごくスリリングだった。矢野さんはガラッと変わってくるタイプだった。あくまでリハーサル。
③決勝1曲目:「Goodbye Yesterday」 マイク→左手、から右手持ち替え
・決勝2曲目:「ブルーバード」 マイク→左手、からの右手持ち替え
この曲も1曲目と同じで、最初は左手で歌うもののラストでは右手に持ち帰る。曲後半の最も盛り上がる部分で、原曲にもないフェイクを入れるほのたん。放送を見ていて、「あっ、これは最後ハイノートいれるつもりやな」と思った瞬間に右に持ち替えて予想通りのオクターブ上げ敢行!やや不完全だったものの、チャレンジしたな、攻めたなと思った。ほのたんの度胸のよさが感じられた場面だった。
別に何回持ち替えても問題はないのだけれど、今回の場合は1、2曲ともに歌い手の心理状態が少し透けて見えるような気がして、かつそれがいい方向にいったわけではないので、実はこの時に「左手固定」のときがほのたんがいちばん安定しているように思ってた。
普段のカラオケ配信のときから、別に持ち手とか定まっている人ではなかったので(ほんとに日によって違ってた)、特にこだわりがないのだろうなと思ってた。本来歌とはまったく関係のない部分でもあるので。
④ファイナリストLIVE 全曲通してマイクは左手で固定されていた
「どんなときも」の丁寧な発語と音の運び方に感銘受ける。不確かかもしれないけれど、おなかの支え的なものがしっかりとした印象。低い音域から高い音域の跳躍するときでもズレない音程、とにかく安定感が素晴らしかった。バタついた感じをまるで受けず。
ちなみに、GO!GO! little SEABIRDS!!公演でも矢野さんは(矢野さん以外も)マイクは左手で固定。さらに安定度を増して、「街の灯り」(堺正章)で素晴らしいソロとハーモニーを披露しています。本公演の最大の見せ場でもある。繰り返しになるけどほんとにいちど見に来てほしい。
〇自分の声を形にする
AKBグループ歌唱力No.1決定戦を通じて、矢野帆夏さんは間違いなくそれまでより多くの人に知られることになったし、自分自身でも大きな成長と手ごたえを感じていると思う。事実、船上劇場での出演回数も非選抜メンバーとは思えないくらいの回数を出演していて、それは、この企画での活躍が大きなきっかけになったのだと思う。
「私はこの企画のために、奈々さんに勝てないと1位になれないと思ってやってきたけど、すごくなんか、まだ、なんだろう、すごく、、、まだ、、わかりますか?気持ち」
— だいせんせ (@kokokokua2) 2019年3月29日
この矢野さんの言葉がでてこない感じ。
どう表現していいか自分でわからなくなってる状態。
今日の配信のハイライト。#矢野帆夏
最初はどうにかして岡田奈々さんに勝って、それで1位になって自分の声を形にしたいと思っていた矢野さんなのだけど、ファイナリストLIVEを迎えた段階になると、どうやら別の感情も芽生えてきたようで、実はこのあたりの心境の変化が矢野さんの歌にも大きな影響を与えたのではと思っています。
一方で岡田奈々さんは次のように。
岡田奈々①「私はこの企画を最初聞いたときに、自分の歌に順位をつけられたり、点数をつけられたりするのが怖かったです。ただ、この企画で、これまであまり脚光を浴びてこなかったメンバーのことも知ってもらうことができました。(中略)歌を歌うということは、人にとっても、自分にとっても、
— だいせんせ (@kokokokua2) 2019年3月25日
そもそも矢野さんにこの企画への参加を勧めたのが奈々さん。それは10月の東京でのチャリティーコンサートで、瀧野と兵頭のサックス&ピアノによる「瀬戸内の声」を本来なら二人でのリハーサルだったところに、たまたま矢野さんが歌を付けていて、それをまた偶然、メイクをしている最中だった奈々さんが耳にして「すごくよかったからいつか形にしたい」と言ってくれた、まるで奇跡のような出来事がきっかけだった。
まさに、3月25日のファイナリストLIVEでそれは「形」となって実現したことになる。
岡田奈々さんの言葉には続きがあって、
②
— だいせんせ (@kokokokua2) 2019年3月25日
もっと自由でいいと思います。私もこれからも自由に、自分らしく歌を歌っていきたいと思います。」
「どんなときも」の歌詞の中に、♪僕が僕らしくあるために♪ という一節があり、この日矢野さんも歌っているのだけれど、それまで矢野さんは「自分もSTUにもっと貢献したい」とか「グループのために何かしたい」、「広島に恩返しがしたい」という気持ちが、或はそうした気持ちだけが強く前面に出ていたように思います。もちろん悪い意味とかでは無くごく自然な、無理からぬこととして。
それが、岡田奈々さんとの交流を通して「もっと自由に」とか「自分らしい」といった態度とのバランスが備わってきたような気がします。あの日、井上苑子カバーの「どんなときも」を歌い始めた瞬間に感じたほのたんのリラックスした感じ、肩の力が抜けて自由に歌っている感じから、それまでとの大きな変化を感じました。
〇まとめ
僕が矢野さんの歌が好きな理由は、技術的な部分だったり声の質だったりするとかはもちろんあるのだけれど、何よりも矢野さんは「瀬戸内の声が世界でいちばん好き」と
公言して憚らない人だし、事実、愛情を持って歌っていることがほんとに伝わる人だし、この一曲にかける矢野帆夏さんを愛さずにはいられない。ファイナリストLIVEのセトリのラストが「瀬戸内の声」であったことは、きっと矢野さん(岡田奈々さん)の熱意にプロデューサーが絆(ほだ)されたのだと思ってる。STUのファンとして、あの時ほど貴方のことを誇りに思った瞬間はない。そして、せっかく手に入れたいちばんおいしい場面で泣いちゃって歌えない(笑)!テレビの放送で奈々さんに頭をポンポンされてるけど、ほんとに隣に奈々さんがいてくれることがどれだけ有難く素晴らしいことかと思う。
「瀬戸内の声」という楽曲と、矢野帆夏という人物が織りなす物語が、これからも多くの人を巻き込んでさらに深みも広がりもあるものになっていくことを願っています。
ほのたんありがとー!
(だいせんせ)