人は夢を二度見る/池田瑛紗


これだけ時間が経過しても尚、心の動揺が鎮まらない昨日の報せ。

こういう体験はない。

やがて、もっと時間が経っていけば忘れてもとの時間に戻っていくのだろうけど、少し今の面持ちをどっかに保存しておきたいと思った。

 

 

この報せのどこがいちばんのショックだったのか?

それは一度は諦めた夢を、いや、諦めたと思っていたこと自体がそもそも間違っていて(ファンの勝手な空想)、池田瑛紗が夢を諦めていなかったこと。

だいだいさんのツイートを引用。

 

 

レギュラー出演している「なんて美だ!」の美大特集の放送回でも東京藝大について、”目指していたこともある”と過去形でコメントしていたので、だからもう諦めたものと思っていた。少し見ていて辛いというか、てれちゃんはどういう心境だったんだろう?とか思っていたのだけど、いったいなんだったんだ(笑)。

 

どんな言葉を重ねても陳腐な表現にしかならないのだけれど、ほんとうに素晴らしい!
この世に生きる、ほかの誰にこういうことが出来ただろう。

およそ1年前、ドキュメンタリーが公開されたその瞬間、”この人だ”(上手く言えないけどHe is the Man!のような直感)と思った日を思い出して、まだ気持ちも体もぶるぶるとしている。

 

西野七瀬のことを、”私の憧れの存在です”とステージ上で語った「他の星から」の記憶がまだ新しいように、池田瑛紗を乃木坂へと導いたのは間違いなく西野七瀬であり、彼女が乃木坂を知るきっかけとなったのが「帰り道は遠回りしたくなる」であることはよく知られている。

 

帰り道もそうだけれど、今回、報告を聞いて思い浮かべたのは西野七瀬の「ごめんね ずっと・・・」のMV。監督はあの山戸結希。

もしも、自分がアイドルとは別の人生を歩んでいたなら、、

人生が二つあったのなら、、

 

たしかに賛否はあったけれど、いろんな示唆に富む作品であったことは間違いないと思う。そして、誰しも自分の人生はひとつ、夢はひとつであることを教えてくれる作品だったとも思う。

 

転じて、「帰り道は遠回りしたくなる」。監督は関和亮

今から思うと、池田瑛紗はこの曲どこが、或いはこのMVのどこが良くて乃木坂に興味を持ったのだろうと思う。この作品を契機として新規に乃木坂のファンとなった人たちが少なからず存在して、ひとつの層を形成しているのではとずっと思っている。

勘だけど。

人生の分岐点、「if」をテーマとした作品なのだが、自分がいちばん好きな場面は次の場面。


アイドルという人生を選択した西野七瀬と、美術学生を選んだもうひとりの西野七瀬がお互いに”ありがとう”を交換するシーン。ここから、

”夢は託すことで、それを自分の夢として叶えることもできるのではないか”、と自分は感じとりました。

アイドルという職業、存在を象徴する場面のように感じました。

 

”憧れである西野七瀬さんのように自分もなってみたい”、このMVを見てそう感じたであろうことはすごく自然なことだと思うし、普通の感情だと思う。一方で、藝大への夢も諦めたくない、という気持ちももちろんあったろうし、寧ろ、乃木坂オーディションに合格する可能性のうほうが非現実的だったろう。

 

彼女の乃木坂合流が発表された日付と、その時の藝大合否の日付との関係を云々する噂はたしかにあったけれど、今思うと一定の信ぴょう性はあったのかもしれない。ただ、もしそれが本当だったとするとそれが意味するのは、両方を選ぶことはない、二つの夢を同時に叶えることはない、ということである。

                      (森を抜けて旧東京音楽学校の校舎から、東京藝術大学へ)

ふわりとした憶測や噂よりも、生身の人間の努力と生きざまはそんなものをやすやすと越えていってしまう。

 

藝大に合格することも、乃木坂メンバーとして活動することも、どちらも自分の人生にしてしまおうと決断したことについて、「帰り道は遠回りしたくなる」と西野七瀬の存在は、とても大きなものだったのではないかと思う。

 

ちょうど明日には店頭にも並ぶであろう新曲『人は夢を二度見る』。

最後を締めくくっている歌詞は

 

 

    今ならちゃんと夢を見られる

 

 

偉大なり、乃木坂46

                                     (だいせんせ)

 


www.youtube.com

 

 

(追記)