瀧野由美子さんへの共感ノート duex

 

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 大昔、まだ僕が小木曽汐莉さん(元SKE48)のファンだったころ、小さい顔がチャームポイントであるはずの小木曽ちゃんが「アイドルになる前は、自分の小さい顔がコンプレックスだった」と話しているのを聞いたことがある。「でも、アイドルになってから小さい顔がストロングポイントになることがわかって、そこから少し自分に自信を持てるようになった」と。当時、この話しを聞いたときにはもの凄く驚いた。他人から見て、誰もが羨ましい、そうなりたい、と思っていることであっても自分にとっては決してそうではないと。むしろ逆であると。そういうことってあるものなんだなと。

 

このたび故あって(笑)、瀧野由美子さんの配信を毎回毎回熱心に見ていたわけですがw、期間最終日の前日に「ちょっと真面目な話をします」とぽつぽつ語り始めたとき、僕の中に、もう衝き動かされるような大きな感情の波が涙とともにやってきました。

 

どのような過程を経て、彼女がdiscourageされ(を受け)、enpowermentから遠ざかった状態に至ったのかが非常によくわかったし、逆に、そこから今どんな自分になろうとしているのか、どんなことを目指しているのか、彼女の語りの中に大きな共感と希望を覚えたことがこの筆の動機です。

 

 〇身長のこと

 

私にはファッションセンスはありません。小さいころからどんなお洋服を買っても袖丈があいませんでした。裾もどれも短くて自分に合うお洋服がわからずにきて、やっぱり女の子は小柄なほうがかわいらしいのだろうな、と思って今まで生きてきて、自分の身長をそれほど長所だとは思えませんでした。

 

なにより「かわいい」ことが大切で、期待されていて、みんなが「かわいい」を目指す多感な少女時代に、この子は最後まで自他ともに認めてもらえるような自分に合うお洋服に出会えなかったんだなと。一方でこのことは、彼女がほんとうに田舎の(失礼だけど)ごくごく常識的な一般家庭で育ったんだなということをあらわしてると思うし、これくらいたいしたことないと思えるかもしれないのだけど、身長が高い→自分に似合う服をはやばやと諦める→オシャレじゃない→自分はかわいくないイケてない、最初は希薄だったかもしれない自分を肯定できない感情もやがては定着し、強固なものになっていったのだろうと。

 

〇女性ファンのこと

 

今回出ようと思ったのは、私にもSTUにも女の子のファンがまだとても少なくて、女の子にも関心を持ってもらえればいいなと思ったからです。どうやったら女性のファンも増えるのかなとか考えていたし、同性にも好かれるアイドルになってみたいなと思っていました。以前、TGCやガルアワに出させていただいた時に、モデルの方から身長やスタイルのことをすごく褒めていただいてそのことがものすごく嬉しかったんです。

 

 ランウェイを歩いてみたいという気持ちよりも上に、STUのファン(特に女性)を増やしたいという気持ちを強く感じました。機会を与えてもらっていたことで、有難いことにプロのモデルさんから身長、スタイルに関する好評価を受けていたようです。いったいなんというお名前の方なのかは全く存じませんが、これは当事者から当事者へ伝達されることでいっそう説得力が高まる話しなので本当にありがたいなと。そして、コンプレックスに思っていた自分の身長が、「どうやら長所らしい」ことに気付き始めるきっかけとなったように思われます。

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〇だけど

 

でも心のどこかで、このお仕事は自分で勝ち取ったお仕事ではないという思いがあって、、、(釈然としない?)、、。今回のイベントも自分の力というよりもファンの皆さんのお力を仰ぐものなんですが、今までやったことのなかった朝配信とか配信枠?とか自分がやったこと、自分が動いた結果がお仕事につながっていく、こういうイベントに今まで参加したことがなかったし、よく仕組みとかルールのことはわからなかったけど、今回はがんばってみようと思ったんです。

 

 自分のファンと一緒になってなにかを成し遂げる。こういうことを自分は今まで体験したことがない(総選挙とか7ならべもいちおうあるんだけどねw)ので、自分も同じ土俵のうえで戦ってみたかったという気持ちは非常によくわかる。イベントの是非は置いといて、推しメンがやると言ったらファンはついていくしかないし、日ごろからAKBの選抜に選ばれていることや自分の置かれているポジションについて、ずっと忸怩たる気持ちをゆみりんが抱いていたことは痛いほどわかっていたし、そのあいまいさの中でずっと自分の自信のなさとコンプレックスに苛まれていることもわかりすぎるくらいわかっていた。ゆみりんのファンはみんなそう気づいていたと思う。

 

ゆみりんがなんにも順位のことには触れないで、ただ一言、「出ます」といったときに、たぶん多くのファンの人は無言というか沈黙だったと思うんだけど(僕は寧ろ反対だった)、なんか悟ってた。

 

〇メールのこと

 

私はメールでよくぐだぐだ言ってますが、そんな時でもSHOWROOMでは強気というか、弱い感じの部分は見せてなかったと思います。みなさんにはそう見てもらいたかったからです。強い自分を見せたかったし、自分が弱いとか思われたくなかったし、でも本当はこんな人間なんです

 

よく「ゆみりん大丈夫か?」みたいな内容のメールが届いて、大勢の人がそれを心配する返信を打ったりしてもその日の配信ではまったくそういう素振りを見せないとか、まあ意地っ張りな御嬢さんだなと思うことはよくあります。最近ではこちらもそれがわかってきて、それがゆみりんなんだなと思うようになりました(笑)。 

 

 ダンスが上手いわけでもない、歌が上手いわけでもない、容姿に秀でたメンバーなら他にもいくらだっている、あーちゃんみたいに上手にMCまわせない、みちゅやみゆみゆや花音ちゃんみたいには踊れない、ほのたんのようには歌えない、舞台の主役にはなれません、バレエできません、Youtuberにはなれません、SAX吹けるけど菩薩ちゃんみたくマルチな音楽の才能あるわけちゃう、若女将みたくちょっとえっちな(略)この2年のあいだに他のメンバーはメキメキと自分の才能や力を発揮させてきていて、まわりを見渡せばなんにもできない自分がひとりぽつりといる。たぶんそんな夢を毎日のように見ているんだろうなと思います。

 

 〇広島でね

 

実は2015年の夏に広島で乃木坂46の全国ツアーがあって、仙台を皮切りにスタートしたその年の全国ツアーは「乃木坂らしさ」というキーワードがツアー全体を貫くテーマになっていて、セットリストやステージ上の構成を通してメンバーが「乃木坂らしさ」について試行錯誤しファンもそこに心を寄せながらひとつの共通認識を図っていくという内容でした。

 

その全国ツアーの広島公演のいちばん最後の挨拶で生駒里奈が放った言葉

今回のツアーでは「乃木坂らしさ」についていろいろ考えています。でも、考えれば考えるほど「乃木坂らしさ」ってなんだろう?ってわからなくなってくるんです。

 

もしかしたら、私たちがみなさんの前でこうして歌ったり踊ったりしている姿、それが「乃木坂らしさ」なのかもしれません。

 

 

もしかしたら?、本当に瀧野由美子にはなんの取り柄も才能も無いのかもしれない。もしかしたらです。でもね、よく考えると世の中にそんな人って幾らでもいるし、正しく言うと、現時点ではまだ自分の強みが見つかっていない、発見されていない人のことなんだよね。年齢とかは関係ない。

 

 ほんとうに何物でもない、ほんとうに普通の一般人の瀧野由美子がアイドルになって、なぜだかセンターを任せてもらって、そこからはじまるSTU48の物語。いいことも悪いことも、嬉しいことも悲しいことも両方あるけどとにかく現時点では瀧野由美子を中心に展開されていくストーリー。それは受け入れるしかない。

 

自分に自信が持てないのは仕方がない。それがすぐに解決しないのは十分にわかっていると思う。この先も悩みは尽きないし、悩みから解放される日はこないだろうと思う。

ただ、ゆみりんの悩みを解決させてあげることはできないけれど、少しそばで一緒に悩んでくれる人ならいると思うんだよ。それはSTUのメンバーだったり、他のAKBGのメンバーさんだったり、そして大勢のファンの人たちだったり。気がついたときにはゆみりんのまわりには人がたくさんいて、その輪が大きくなっていくような。

それは、「ゆみりんらしさ」じゃないのかな。

それが、「STUらしさ」じゃないのかな。

僕はそう思うよ。

おわり。

                     (だいせんせ)

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(追記)

ゆみりん1位おめでとーーーーー!!!