もうひとつの「瀬戸内の声」を知っていますか?(「瀬戸内の声」ふるさとバージョン)
それは3月19日、広島での陸上公演に参加して考えさせられたこと。
この日は、岡田奈々キャプテンが公演に参加するという大変に貴重な日で、かつ、ちょうど1年前のこの日、STUの最終オーディションが行われた日でもあった。当然、公演中のMCの話題もこのことが中心で、メンバーが1年前のいろいろな出来事を話す中、やはり圧倒的に岡田奈々さんの話しが面白かったし、非常に興味をひかれるお話しのオンパレードだった。
最終オーディションに審査員のひとりとして臨んだ岡田奈々は、「この子とこの子とこの子」3人の指名を秋元に申し出た。「おまえが責任とれるんだったらいいよ」と言われ、そして指名したのだそうだ。今日の公演で、「だからね、その子たちが悪いことしちゃったら私が責任を取るんだよ」と笑いながら
— だいせんせ (@kokokokua2) 2018年3月19日
最終審査の結果が発表されて、最後には全員がひとつに集められたそうだ。そこで、「あなたたちの歌う曲はこれです」、と「瀬戸内の声」をその時に聞かされた。もちろん仮歌の段階で、しかも声は男性の声だったらしい。みんなポカーンとして聞いてたとのこと。ただひとり、岩田陽菜だけが号泣していた。
— だいせんせ (@kokokokua2) 2018年3月19日
なかでも、最終オーディションの段階で、すでに「瀬戸内の声」が出来上がっていて仮歌まで仕込まれていたことに、ここに自分は大変驚愕しいろいろと考えさせられました。
①(欅坂46を除いて)AKBG、乃木坂46ではそんなに早く曲は仕上がってこない
これまでの各種番組とかいろんな情報を通して、自分の中ではこれが固定観念になっていたので、最終オーディションの段階で曲がここまできっちり仕上がってることなんてあり得ないくらいすごいことだなと思ったわけです。HKT、NGTの例で言えば、最終オーディションを経て最初の曲(「初恋バタフライ」「Maxとき315号」)をもらうまでには半年から1年以上の時間を要しています。
また、秋元氏から詞がなかなかあがってこないことは皆の周知の事実で、某曲ではリップシンクの口の動きと歌詞が全然違うとか、乃木坂46のMVを撮ったある監督さんがイベントで語ったのは、「これ撮ったときにはまだ曲がなかったんですよ笑」と。曲がないのにどうやってその曲のミュージックビデオを撮るのだろう?と考えればおかしい話しなんですけど、自分も大好きなその曲は、監督さんの見事な手腕も手伝ってファンの間で名曲、名作といまでも語り継がれています。咄嗟の判断大事ですね。
話しそれましたが、最終オーディションに合格をはたして感動やら涙やら混乱状態のメンバーにこの曲(しかも男の声!)を聴かせても、そりゃポカーンとするわな、と思います。正直なんじゃこりゃ?と。おおよそ、アイドルソングらしくない曲だし、イメージ出来なかったのは当然なのかなと。(例えば、「初恋バタフライ」なんて超アイドルソングというイメージ。杉山さんのスマッシュヒットな曲だと思う)
要は、最初から「この曲ありき」だったんだなと自分はこの日判断したわけです。もしかしたら、「曲の雰囲気に合致するか」も選考条件の一つだったのかも、とかいろいろ考えさせられました。
②「瀬戸内の声」とはなにか?
STUの母体であるせとうちDMOは、おそらく最初に、瀬戸内というひとつの海に帰属意識を向けることができるような、また、広く人々の共感を得ることができるような「ふるさとソング」をSTU48構想の以前に想起していたのではないかなと思っています。例えると「花は咲く」(作詞:岩井俊二 作曲:菅野よう子)や「ふるさと」(作詞:小山薫堂 作曲:youth case)のような、神戸の「しあわせ運べるように」のような。
それが、「瀬戸内の声」ではなかったのかなと。
ここでは、瀬戸内7県に住む人々の暮らしや仕事、日常の生活のありのままが描かれています。自然、風土、風の音、波の音、蝉や虫の声、空の色、人間の顔、人間の声、すべてが「瀬戸内の声」として描かれています。この地に生きているすべての人々の声。
もしまだ見ていない方がおられたら、是非見ていただきたいなと思っています。自分はこのふるさとバージョンが大好きで、STU48バージョンと甲乙つけられないくらい、両方大好きです。特に、声以外の自然の音を排除せずに、サウンドスケープとしてそのまま取り入れているところが素晴らしいなと感じています。
③ゆみりんかわいい
ゆみりんかわいい
④瀬戸内の暮らしのそばにある問題
急に暗いというかやや深刻な話しなのですが・・。想田和弘さんという映画作家さんの作品で、「牡蠣工場」という作品があります。岡山県牛窓が映画の舞台になっています。そう、牛窓は同時に「瀬戸内の声」の舞台でもあるのですが・・。
ここでは内容に触れませんが、静かで小さな瀬戸内の町にも大きな変化の波があります。非常に抗い難いというか、ちょっとどうにもできないような問題。一見するとわからないんですけどね。
個人的なことであれですが自分の仕事に置き換えてみても、それは半径4キロ圏内のまるで原始共生制の社会の中で生きて、生かされているみたいなものです。広く見積もっても半径20キロ圏くらいかな。それくらいの人とかお金とか経済の繋がりなかで暮らしています。まして、もしも世の中が平和でなくなったらいちばんに吹っ飛んでしまうような自分の仕事です。
⑤最後の歌詞が示すもの
かなり話しがとびましたが、海の近くでこの曲をぼんやり聴いていると、だいたいいつも最後あたりでほろほろ涙が流れてきます。
そばで 青い海は
どんな時もやさしくおおらかで
淡い日差しの中
僕は願いを風に向かって叫ぶ
そばで 海がずっと
変わらぬもの教えてくれたんだ
時が過ぎ去っても
この自然が幸せの目印だ
瀬戸内の愛 ありがとう
自分の人生にはなにも残せるものなどないのですが、それでも、瀬戸内の海とか景色って綺麗だな、ここでいろいろ良い出会いをさせてもらったなとか、なんとなくだけど、ありがとうの気持ちだけは残して残りを生きていきたいな、なんて思います。
⑥福田がんばれ
ふくちゃんがんばれ!
(だいせんせ)