NPO法人「チップと日奈子」

〇愛犬チップ

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 北野日奈子のブログに愛犬チップがよく登場することは、 乃木坂ファンの方ならたいていご存じだろうと思います。自分は北野推しではありませんが、チップがこれまで何度もブログに登場していること、また、テレビ番組などを見て、彼女は動物愛護に関心があるんだな、ぐらいのことは知っています。

 個人的に犬が好きなので、きいちゃんに限らず犬が登場するメンバーブログはよく見ます。 ただ、彼女の場合、単なる犬好きから一歩踏み込んだ思考や発言もあって、もちろん、ただでさえ熱い心の持ち主だから、それも手伝って、ブログを読み終わったあとにはいつも何か考えさせられます。

〇出会い

 二人は、動物愛護センターの譲渡会で出会いました。それが偶然だったのか運命だったのか、いずれにしても縁があって二人は家族になることが出来ました。幸福であった、としかいいようがないと思います。写真の様子とかブログでの近況を読むたびに、本当に幸せそうで、とても微笑ましいです。チップはおそらく今年で10歳になるのでしょうか。北野日奈子の人生の半分を一緒に過ごしてきたことになります。彼女の多感な十代を。

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                        (写真はイメージです)

 もしも、ほんの少し運命の歯車がズレて、二人が出会えていなかったら、今僕らの目の前にいる北野日奈子は存在していただろうか。チップはどうなっていただろう。きっと、今のきいちゃんはいなかっただろうと思います。詳細は存じ上げませんが、いじめに遭うなどの辛い時期、人が信じられない、自分に自信がもてない、自分が何かよくわからない、そうした悩みや迷いの時期のちょうど真ん中を一緒に過ごしてきたチップ。彼女の人間としての核になるものの中に、チップの存在が大きく影響しているような気がしてなりません。私(私の家族)と出会わなければ、この子は殺されていたかもしれない。幸せのすぐ裏に潜んでいた現実に対して、知らなかったフリを通すことはできない。この正義感情というか、いろんな物事に対する当事者意識が北野日奈子らしさだと自分は思うのです。
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〇収容された犬猫のうち、67%は殺処分される(図参照)

犬・猫の引取り

 引取り数処分数
飼い主から所有者不明合計返還数返還数のうち
幼齢個体
譲渡数譲渡数のうち
幼齢個体
殺処分数殺処分数のうち
幼齢個体
成熟個体幼齢の個体成熟個体幼齢の個体
6,94090336,4578,87353,17314,2865617,3394,69121,5933,592
8,8387,70419,76261,61897,92235811618,23412,19779,74547,043
合計15,7788,60756,21970,491151,09514,64417235,57316,888101,33850,635
(注)
幼齢の個体は主に離乳していない個体を示す。
引取り数の所有者不明の成熟個体には、狂犬病予防法に基づく抑留が含まれる。
引取り数の所有者不明には、一部、県・市条例に基づく収容を含む。
殺処分数には、幼齢個体などの保管中の病気等による自然死も含まれる。
成熟個体と幼齢の個体を区別していない自治体にあっては、成熟個体に計上している。
                 (平成26年度「犬・猫の引き取り及び負傷動物の収容状況」環境省 
       
 収容及び保護された犬と猫のうち、元の飼い主のもとに返されたり、譲渡会などで新しい飼い主に引き取られるのは全体の三分の一程度。残りの三分の二は、炭酸ガスによる窒息死で処分されてしまいます。以前の統計になると、もっと殺処分数が増えます。このことは、十代を迎えた北野日奈子にとって、いつも隣にあった問題として、常に意識せざるをえなかったのではないだろうか。もちろん想像なのですが。

 いつかのブログ※の質問返しで、ペットを飼うことに関連して。「ペットショップで買うのもいいけど、譲渡会とかで引き取ってもらえたらうれしいな」なんて、慎重ながらもしっかり自分の意見を伝えていたし、直近のブログなどを見ても、この問題意識は変わっていないと思います。           ※2013年11月19日


〇 将来、動物愛護センターを作りたい!

 きいちゃん自身はこのことに言及してないかもしれません。堀未央奈が一緒に作りたいみたいなことを述べていたと思うのですが、きいちゃんは最近では、時間を作ってボランティアをしたいと言ってます。ただやみくもに、施設を作りたいと言うのではなくて、まずは犬舎のそうじでもなんでも、ボランティアから始めたい、というところが大変印象的です。物事がよく見えているというか、現実的というか、なにか地に足が着いている感じがします。動物愛護って、言ってみれば人間社会のエゴとか矛盾と表裏一体の部分があって、動物遺棄、虐待の問題は、その供給過剰、生体販売に関する法整備、過度な繁殖と品種改良、パッと思い付くだけでもいろいろな事柄を含んでいて、一朝一夕で解決できる問題ではありません。きいちゃんが、「ボランティアから」と抑え加減で述べているところに、かえって現実味と本気を感じてしまいます。

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 個人的には、現状のような行政サービスとしての収容・殺処分はtoo muchだと思っています。供給サイドには何かしらの規制が必要で、需要があるからやってる、をただ容認し続けては問題解決にならないと思います。夜の繁華街でのショーケース販売みたいなものは規制されたようですが、ペットの販売と所有に関して税を賦課するなども考慮されてもいいと思います(地下に潜る危険性もありますが)。自分もきいちゃんの発信に触れるまでは考えもしなかったことです。

 本当に、将来きいちゃんが思っているような施設を作ることができるのか、それはわからないと思います。でも彼女が願うような社会が実現できることを、実現に少しでも近づけることを自分も願ってやみません。




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北野日奈子に関する雑感

 厳しかったプリンシパルtrois。「16人のプリンシパルtrois」を何度か見に行きましたが、その時の北野さんの印象はボロボロですね。1幕の寸劇で、平泉成さんの物真似をたくさんするのだけど、有効なのは最初のうちだけで、次第にグダグダになっていきます。間も冗長過ぎて、遂に後ろで見ていた生駒が「テンポ感が大事よ!」なんて注意を促す始末で・・・。2幕の配役を勝ち取った記憶がほとんどない(たぶん)と同時に、あとの挨拶でもビィービィー泣いてたり、あぁこの子は舞台が嫌いになるかもしれない、なんてその時思いました。

プリンシパル


 転機だったじょしらく。昨年のじょしらく、木胡桃役。ここが大きな転機だったかなと思っています。すごく役にはまっていて、彼女の魅力が存分に発揮できた舞台だったと思います。一番印象に残っているのは千秋楽のあとの、「今までは舞台を怖いと感じていた」「でも演じていて自分でも楽しくなってきた」「いまここに立っているけど、去年とは違う景色に見える」との挨拶。泣きながら話していたのをよく覚えているのですが、自分はこの時、ひとりの人間がブレイクスルーを果たした瞬間を目撃したような気になりました。なぜなら、彼女が去年見た景色というのは赤坂ACTシアターにいたプリンシパルの観衆のこと。今見えている景色というのは、渋谷AiiAシアターの観衆のこと。ほぼ同じ顔ぶれの人たちばっかりですから。それが違った景色に見えたのは、きいちゃんの中にこそ大きな変化が起きたからにほかなりません。

じょしらく4


 その後の快進撃については、言うまでもないと思います。ANNA SUIのモデルに抜擢されたのを皮切りに、どんどん進んで行きました。サンクトエトワールのメンバーにも選ばれました。「大人への近道」MVの中で、廊下をみんなで駆けているシーン。きいちゃんだけ、ふと横を向いて窓の外を見遣ったあと、前をむいて微笑むシーン。ここはほんとにいい演技だったと思います。先日、エコパアリーナでのコンサートを2日間観ましたが、「不等号」のダンスも圧巻でした。たまたま席がセンターステージの近くだったせいもあって、彼女の鬼気迫るダンスに圧倒されました。アンダーメンバーの中心的存在というところにとどまらず、今や乃木坂46の中心を担う存在といってもいいのではないでしょうか。次のシングルが大変楽しみです。 

大人への近道


〇最後に

 タイトルはもちろんネタなのですが、以前に東京で仲間と飲み会をしたときに、この話題になって、「もし、きいちゃんが法人立ち上げたら自分が働きたい!」とか言う人もいて・・。自分も仕事上の経験から、「設立趣旨書とか定款とか登記や税の減免申請とか、そういうのやります。」みたいな話題で盛り上がったことがありました。別に法人格にこだわる必要もないわけで、きいちゃんの志があれば任意団体だろうがなんだろうが、なんだっていいと思います。

 繰り返しになりますが、施設や団体を作るなんていうのは夢のような話しで、本当にできるのかどうかなんてわからないことです。ただ、きいちゃんが望むような社会に少しでも近づけることを、自分も願ってやみません。
またどこかで、第二、第三の北野日奈子があらわれるかもしれませんから。

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                             (だいせんせ)