46HOUSE!#3 スペシャルゲスト Sugaya Bros.さん(「他の星から」作曲者)に聞く

〇Sugaya Bros.さんへのインタビュー

-よろしくお願いします。お話しを伺う前に、唐突ですがSugaya Bros.さん、紀の善のあんみつを食べられたことありますか?

 これはよく質問されることなんですけど、実は食べたことありません(笑)。

-実はですね。今日、取材でお世話になるので差し入れをさせてもらっています。よろしければ今ちょっと手にとっていただいて・・・。

 えっ、本当ですか。あの箱気になっていたんですよ。それじゃ。 



IMG_2008

(「他の星から」作曲者と、紀の善のあんみつが遂に出会いを果たした瞬間です)

-ありがとうございます。
 (他愛のないことかもしれませんが、なんだかとても感慨深いものがありました。)



- 普段の作曲活動、演奏活動について

 Sugaya Bros.という名前の通り、兄弟で曲を制作しているユニットなんです。 最近の曲の作り方としては、普段、弟がベーシックの部分を作ったものを、最終的に2人で完成系を目指して詰めていく。そんな感じですね。DJプレイや演奏については今はしていないです。ただ、自分たち兄弟を含めた音楽ユニットを立ち上げる予定はあって、今はその楽曲の制作にもあたっています。

- 今回が2度目の出演となりますが

 前回は本当に誰も知らない状態で、何もわからなくて参加したのですが、来てみるとみなさんがとても暖かくて、圧倒的なホーム感みたいなものがありました。そういう場所なので、今回はお誘いいただいた時に二つ返事でOKさせていただきました。

 楽曲制作という側面からすると、普段はリリースした作品を通してしか自分たちの音楽性を見せることができないけれど、こうした場所でDJプレイをさせてもらうことによって、音楽的なバックボーンや好きな曲とかを見てもらうことができるし、今度はそれを見た人が「自分も同じ曲好きだ」とか「自分も興味持ってた」とか、さらに興味を深めてもらうことができる。そうしたところが出演(DJプレイ)の醍醐味ですね。

Sugayaさんの手2



- 46HOUSE!のようなファンが自主的に企画して、音楽を楽しむイベントについてどう思いますか。

 単純に、一個人として思うのは、すごく現代的だなということです。もともと現場の熱気から派生したものが、SNSなどを介して場が出来ていって、それが広がりを見せていく。こうしたことは10年前では考えられなかったと思うし、2020年に向かっていく今だからあることだと思います。

 裏方としての作曲家は、普段ファンと触れ合うことも出来ないし、こういう機会で交流が持てることは自分個人としては大変嬉しく思っています。46HOUSE!は雰囲気がすごくオープンですし、主催者のblankさん、いちろくさんをはじめみなさんアグレッシブです。そうオープンでアグレッシブ。だからこうして続けていけば今後もっと大きなものになっていくのではないか。そう思っています。

- ご自身の好きな、得意な音楽ジャンルなどありますか。また音楽的ルーツなど。

 制作に関して言うと、過去のディスコグラフィーとかを見てもジャンルにとらわれずいろいろなものを作っています。ジャンルでいう得意不得意はないですね。ただ、その中で意識していることは、メロディーがストロングなもの。ここは大事にして曲を作っています。

 ルーツに関しては兄弟でかなり異なっていて、自分が音楽として意識をして聴き始めたのは、ブラックミュージックです。或いはクラブ系と呼ばれる音楽。弟の場合はヘヴィーメタル/ハードロックなんです。このへんの違いというか、ハイブリッド感が逆に言うとSugaya Bros.っぽさなのかなと思っています。
とりぷるえー









                          (AAA 「Next Stage」)


- ミュージカル、J-POP、ゲーム音楽など多方面で活躍されていますが、ご自身で目指されているところなどありますか

 今はまだあまり方向性とかを考えずに、とにかく目の前にあるいろんなことに取り組んでいます。本当に普段から「いい曲をつくろう」、というシンプルな心がけを大事にして曲作りに臨んでいます。


刀剣乱舞














  (ミュージカル刀剣乱舞より「Show me the world」)


- たとえばの話しで、コライトしてみたいアーチストさんとか

 やっていただける方がいればどなたでも(笑)。逆に、この人とやってほしいとか、こういうのが聴きたい、みたいなものがSNSとかであがれば、一度自分から訪ねてみようかな(笑)。さっきも三輪さんと少し話してたんですよ。やりましょう、って。

- メロディーメーカーとトラックメーカーについて

 人によってその違いとか特徴というのは大きくありますね。昔よりも今はその傾向が顕著になっているような気がします。昔は割とメロディーメーカーと呼ばれる人があまりいなくて、いなくてというか職業作曲家然とした人が多くて、でも今はトップライナーと呼ばれる人がたくさんいて、そういう方がどんどん作曲されていますね。だから好きな人とか、この人上手いな、みたいな人は常にチェックをいれてますね。

- 乃木坂46のファンに向けて

 あのですね、いろいろとアイドルさんやアーティストさんの曲を今まで書かせて頂いてますが、曲のことに関して、作曲家にまで言及をしてくる事が圧倒的に多いのが乃木坂ファンの皆さんなんですね。他のアーティストさんのファンの方でも気にかけていただくことも当然あるのですが、乃木坂さんの場合はそれが圧倒的に多いんですよ。それだけ、楽曲にこだわりを持つ人がものすごく多いので、気が抜けないというか、いい曲を届けなければと思います。ただ、それだけ厳しい人たちから評価をいただける、認知をもらえるのは、これは作曲家として本当にうれしいですね。ありがとうございます、の一言に尽きますね。

 46HOUSE!にしても、楽曲をいろんな角度から掘り下げて、そしてこういうイベントのかたちに辿り着くってすごいことですよ。

- 貴重なお話し、どうもありがとうございました。


ほかの星から2





〇DJプレイ感想

Sugayaさんの手


 5時間に及ぶイベントのラストを飾るDJプレイ。お客さんがもうすごい状態になっているし、ちょっと制御不能な盛り上がりになっていました。そんな雰囲気の中、まさにフロアを統る支配者のようでもありました。自分はクラブ系の音楽やDJのことにはまったく無知ですが、それでも作曲者自身がかける「他の星から」は、やっぱりどこか特別な感じがしました。あと、「ボーダー」がめちゃくちゃかっこよかったですね。

Sugayaさんプレイ2


〇まさかの百合坂46さん

 出演を済まされた後、フロアにいた百合坂46さんが会場の盛り上がりの中でもう一度ステージへ。予定にはなかったこと。「せっかちなかたつむり」がかかると、なんと振り付け通り踊り始めたではありませんか。youtubeなどをチェックしてましたが、これまでの百合坂さんのレパートリーには無かったことでは、と思ってびっくり。そして次が「他の星から」。ここでも、まったく何の打ち合わせもしていないのに、イントロがかかると、例の縦一列フォーメーションからの千手観音!キタキター!なんかすごいことが始まってしまいました。
百合坂他の星から


 Sugaya Bros.さんがまわして百合坂46が踊る。Sugaya Bros.さんが最後にマイクを握って、「Sugaya Bros.featuring百合坂46でしたー!」って思わず挨拶されてました。こうしたハプニングというかサプライズが起きるのがこうしたイベントの良さだなと思いました。


だいせんせ)

後記:
今回のトラックリストをはじめ、それらに関連する事柄やプレイに関する数々のこと、ご自身のtumblrの中で詳細に語っておられます。めちゃくちゃおもしろいです!こちらを是非お読みになってください!