『百合坂46発表会Ⅱ~彼女たちの歩く道~』感想

 昨年に引き続き、百合坂46さんの発表会に行ってきました。あらためて言うことでもないのですが、自分は乃木坂46が大好きです。それと同時に、乃木坂46の周辺にあるさまざまな「乃木坂文化」もまた、大好きなのです。文化だなんて、ちょっと大袈裟な言い方かもしれません。でも、例えば、乃木坂絵師さんたちによるイラスト等のファンアートの広がりとか充実には目を見張るものがあるし、ピアノやギターを弾く人たちによる乃木坂楽曲の演奏作品の中には、本当に素晴らしいものもあります。それ以外にも、聖地巡礼をする人たちの行動力、フットワークの軽さにも驚嘆します。さらに乃木坂クッキングやら、挙げればきりがありません。極めつけは、46house!のような大型の音楽イベントでしょう。乃木坂46(或は坂道グループ)を応援したり楽しんだりする方法は、ほんとに多種多様で、自分には乃木坂46というエンターテインメントが、まるで宇宙のように感じられます。広がりも奥行きも無限大(笑)。そして、自分にとってそうした豊かさが、乃木坂ファンであることの楽しみのひとつになっていることは間違いありません。

 そんな中でも、ダンス(振りコピ)で乃木坂愛を表現する百合坂46さんが特に大好きなのです。きっかけは2015年の「命は美しい」動画でした。それまでも、「踊ってみた」というのはメジャーなジャンルでありふれたものでしたけど、あの動画の公開はそれまでにないものでした。あれだけの大人数で、かつ、メンバーのダンスレベルがかなり高い。それまでの、一般の人がただ自分の満足とか面白味でやっているものとは明らかに違ったものでした。それからの彼女らの活躍ぶりは、あえて説明の要らないところだと思います。

 今回も、関西から新幹線に乗って名古屋まで遠征したのですが、実は、ふと窓を見ながら「乃木坂46本家でもないものになぜ自分は遠征までして見に来るのだろう?」「どこがいいのだろう?」なんてことを自問自答したりもしました。しかし、最後にはやっぱり見に来て良かった、と思える発表会だったし、疑問に思っていたことの答えもわかった気がしました(というより、再確認できたような気がしました)。

ーいったいどれだけの人が自分の「好き」を貫いて生きていっているのだろう。


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〇セットリスト

インフルエンサー         
ここにいる理由
気づいたら片想い
誰のことを一番愛してる?
MC1(自己紹介)
二人セゾン
語るなら未来を
サイレントマジョリティ
オリジナルダンスパート~
青空が違う
割れたスマホ
Another Ghost
2度目のキス
意外BREAK
無口なライオン
MC2
3番目の風
ブランコ
制服のマネキン
MC3
裸足でsummer
ガールズルール
(アンコール)
走れbicycle
シャキイズム
命は美しい
MC
きっかけ

感想①「制服のマネキン」の見せ方

 この曲は昨年の発表会でも披露されました。昨年は、振付が旧振付で演奏はフルコーラス、衣装はセーラー服に赤いタイの衣装。今年は、振付は新(現行)振付で演奏ワンハーフ、衣装はオリジナルの衣装でした。大変新鮮でした!曲は同じであっても、見せ方は同じではない。同じことはしない。細かいことですが、見る側からすればこういうところひとつ取っても、「工夫がされてるな」と感じました。
センターのみゅーさんの眼力がほんと生駒ちゃんみたいな強さでした。とても印象に残りました。

感想②レパートリーの広さ

 セトリの中にある「意外BREAK」と「Another Ghost」ですが、そもそもこの二曲に関しては映像素材が非常に乏しいわけです。MVにしても、特に意外BREAKはダンスシーンがほんとに少ないし、アナゴにしても十分ではなかったでしょう。いわば、振りコピにはまったく適さない二つの楽曲と言っていいと思います。ところが、各ユニットのメンバーは難なく踊ってみせてしまうわけです。全国握手会でのダウンロードを活用したのかもしれませんが、それにしても個人のスマホに限られたものであるし、ユニットとして全体を共有したり咀嚼したりするのは容易なことではなかったと推察します。

 こうした再現力の高さ、そしてレパートリーの広さは、数多ある振りコピグループの中でも抜きんでていて、他の追随を許していない部分だと思います。Another Ghostは全握で2回、この眼で見ましたが、鮮やかにパフォーマンスが甦ってきました。大変再現性の高いものでした。意外BREAKについてはもう・・・、言葉に尽くせません。ゆりゆりさんがまじやばかったです(語彙力!)。再現性に加えてメンバーのオリジナリティーも感じました。

感想③「エキセントリック」の新たな表現

 「エキセントリック」のoff vocalトラックが、あれはあれで一つの完成品であることは疑いようのないことです。Acid Jazzなんてワードも囁かれるくらいで(個人的にはちと違うと思うのですが)。とにかく、クリエイティブな人たちが、このトラックを使って何かを仕掛けたくなる気持ちはものすごくわかりますし、そんな薫りがプンプン伝わってきたのがまずこの曲をCDで聴いた印象でした。

 そして今回、きました!(笑)。
富田也恵さんがこのoff vocalトラックにオリジナルのダンスを振りつけ、メンバー16名(だったかな?)でパフォーマンスがありました。ここは今回の大きな見どころでした。欅坂楽曲それぞれの振付を散りばめながら、独自の世界観が表現されていました。エキセントリックを用いながら、エキセントリックでないものを作り出していました。ほんとに着眼点が秀逸であったし、かえって、この曲の存在が自分の中で大いに高まりました。

感想④「青空が違う」で現れた超新星

 残念ながらお名前がわかりません泣。黒い髪にツインテールの子に目が持っていかれてしまいました笑。(以下検閲アウト(((( ;゚д゚)))
この曲の中間部、5人が背中合わせで輪になってくるくるまわるシーンがあるのですが、そこが好きなんです笑。この曲をセトリに選んでくれただけでも感謝感激です。それまで座席でおとなしく鑑賞していたのですが、この曲では率先して手拍子を入れていました。チャチャ。

感想⑤「誰のことを一番愛してる?」

 正直、この曲は自分の中では成城彼女さんのものでした。今年のUNIDOL予選で披露された「誰のことを一番愛してる?」はすごくかっこいいです!ダンスのことはよくわかりませんが、手振りがシンクロナイズドしてるさまとか、全体の勢いとか、あらためて見ても成城彼女さんすごくいいです。でも昨日の百合坂さんのはほんとに殺されるかも!と思うくらいのリアルがありました(歌詞参照)。背中がゾゾーッと寒くなるような怖いくらいの迫力。席が2列目だったから余計にそう思えたのかもしれません。再演希望です!この曲はもう一度体験してみたいです。

感想⑥ゆりゆりさん!

 発表会の後、東京から遠征で来られていたみなさんと感想会をしました。あまり詳しいことは書けませんが、みなさん一様に、「ゆりゆりさん最高!」と述べられていました。上にも書きましたが、意外BREAKでの赤い衣装と美しくもどこか妖しげなダンス。ゆりゆりさんのまいやん最高です!

感想⑦さぼんさんの振り幅の大きさは魅力

 背がスラリと高くて、長い手足も特徴的なさぼんさん(是非、百合坂さんの公式HPもご覧下さい)、セトリの最初のほう、「インフルエンサー」などではすごく「大人びた感じ」でこれまでの印象とはガラリと変わっていました。発表会前半はとにかく大人っぽかったですね。ところが後半になると、特に最後の「ガールズルール」ではまるで無邪気な子どものような天真爛漫な笑顔とダンスで、見ていてとても幸せな気分になりました。あっ、元に戻った、みたいな笑。昨年よりもパフォーマンスに変化とか幅が感じられて、より魅力的な存在になったような気がします。

感想⑧進化する百合坂46

 今回の発表会のことだけではないのですが、公式HPや動画サイトにあげている作品の中にも変化が感じられます。直近の2作品がたぶんそうだと思うのですが、オリジナルの音源を指向、着手しているように思われます。とてもいいことだと思います。才能豊かな協力者さんをきっと得られたのでしょうね。ダンスのコピーはもちろんのこと、音源にも注目していきたいと思っています。

感想⑨好きなことを続けるということ

 最後のMCで語られたのですが、昨年から比べてもやはりメンバーの入れ替わりがあった、ということでした。いろんな事情から卒業をしていく人、そして新しく入ってくる人。グループとして活動を続けること、発表会を続けていくことの困難さを垣間見た思いでした。メンバーに共通していることと言えば、「踊ることが好きなこと」「坂道グループが好きなこと」、この二つしかありません。それ以外は年齢も職業も住むところもみんなバラバラ。学生同士でもなければ同じ職場の仲間というわけでもない。本当に普通の一般の人が乃木坂46が好き」を頼りに、心を一つにして踊っているのです。並大抵のことではないと想像します。

 学生であれ、社会人であれ、自分の好きなこと、やりたいことがあってもそれを続けていくことは案外難しいものです。自分も学生から社会人まで音楽を続けていたものの途中であきらめてしまいました。まわりの友人たちも似たような状況でした。何かを犠牲にしなければ、そして強い気持ちがなかったら、たとえ好きなことでも続けるのは難しいことです。

 百合坂46は多人数グループです。メンバーそれぞれに事情もあるだろうし、練習に揃うだけでも大変とのお話しを聞きます。けれども、こうして自分たちの「好き」を超えて、2年続けてこの発表会を達成されました。ほんとうに凄いことです。幾多の困難とか葛藤に対して、みんなで取り組んだり、乗り越えたりしている様子は、自分にはなんだか乃木坂ちゃんと重なって見えてしまうのです。だから同じように応援しよう!と思うのでしょう。

発表会、ほんとうにお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
百合坂46は「乃木坂文化」を代表するグループだと僕は思っています。         
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                                (だいせんせ)


〇後記
今月のこれ見に行きたい!