GO!GO! little SEABIRDS!!公演雑感

初日公演を配信で見て、次の日に実際に見てきました。

そのうえで思いついたことを順不同でつらつらと、、、、。

 

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 〇小さな海鳥たちの旅と冒険の物語

全三幕構成。幕間や幕の冒頭、最後、また途中など随所に科白、間奏曲、ダンス、効果音など公演のストーリーを展開させていく狂言回しが挿入される。観客は海鳥たちの冒険の様子をセットリストを通して見る体験をする。

 

冒頭、客席の頭上をなにやら大きな幕が覆っていき(海をあらわしている)、観客はしばらくの間、視界を奪われてわけがわからなくなる。何が起こっているのか客席からはまったくわからない。やおら頭上の幕が取り払われると、目の前には16人のメンバー(海鳥たち)がいる。

 

〇前奏「GO!GO! little SEABIRDS!!」

ここからがSHOWの始まり!

派手で妖艶なダンスが始まりを告げる。門脇実優菜、今村美月、磯貝花音が前にいて、その後ろに由良朱合と矢野帆夏がいる迫力と重厚感。見る人をSHOWの世界に誘うに十分なパフォーマンス、そして期待が高まる。

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〇Act1 AKB48

AKB48に憧れてこの世界にはいった彼女たちが、AKB48に挑んでいく。

フライングゲット

一曲目にこの曲が選ばれたのは、おそらく曲のタイトルが持つ造語的な意味が理解されていなくて、辞書的解釈から「飛翔」みたいなイメージで選曲されたのではないかなと感じた。「ここから羽ばたいていく」のようなイメージで。ただ、それはそれで面白いなと思ったし、なによりセンターが森下舞羽であったことに驚いた。グループ最年少の彼女が皆の先頭に立って海鳥の群れをリードしている。そんな印象を受けた。

ヘビーローテーション

門脇実優菜センター。明るく元気!チームのムードメーカー!

AKB48の定番、スタンダードナンバーで群れは快調に旅を続けていく。

③風は吹いている

震災の記憶が刻まれている曲。昨年は、西日本豪雨により瀬戸内地域も大きな被害があった。STU48も各地でチャリティーコンサートなどの支援活動を行ったことは周知のとおり。おそらく、海鳥たちも旅を通して災害に見舞われる日本列島を見ただろうし、同時に災害に向き合う人の姿も見たのではないかな。この曲を聴いて、この曲を選曲したことに対して、そんなことを感じた。

365日の紙飛行機

言わずと知れた定番ナンバー。穏やかな曲調で、普段AKBやアイドルに興味や関心のない非常に幅広い層の人によく知られた曲。国民的ソングといってもいいくらい。これを今村美月が朗々と歌い上げるさまのなんと爽やかで清々しいことか。心がすっきりするような、胸のすくような見事な歌唱を演じているので、ここだけで取ってみても、是非彼女の歌を実際に聴きに来てほしいと思う。 

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〇間奏「瀬戸内BLUE」

照明の青と水音が客席を幻想的な世界に引き込む。続いてコンテポラリーな音楽が流れてメンバーのダンス。身長が高く、かつ手の長い森下舞羽のヴォーギングがやはり映える。首と頭にまるで蛇のようにからみつく舞羽の細く長い手の動きこそ、このダンスの真骨頂だろう。

場面転換していくことが、客席で自然とわかるようになる。

 

〇Act2 「海」

海鳥たちは過去を旅する。そこで、変わらない、そして果てしない人と海の関わりや営みを見ることになる。

島唄

なぜ唐突に沖縄(の曲)が登場してくるのか最初は戸惑うのだが、それよりも次々に繰り出されてくるメンバーの生の声、歌に次第に魅入られていくことになる。伴奏にのせて歌う曲ではないので、自分の歌唱力だけが頼り。磯貝花音がしっとりと歌う姿が大変に良かった。歌うことに既に定評のあるメンバー以外も、このパートにどんどん出てくればいいのにと思った。

亜麻色の髪の乙女

自分には島谷ひとみのカバーよりも、ヴィレッジシンガーズのオリジナルのほうがまだ印象が強かったこの曲。オリジナルのグループサウンズ感も島谷ひとみのポップな感じも両方いいと思うが、もう甲斐心愛しかない!頭をからっぽにしてとにかく一度、実際に見て欲しい。

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③め組のひと

動画アプリにのっかった?的な。

④瞳を閉じて

荒井由実松任谷由実)の昭和スタンダード。これも海が舞台になってる。実は、ケヴィン・コスナーの映画を見るよりもポリスの歌を聴くよりも先に、僕らは「ガラス瓶にはいった手紙」のことをこの曲で知っていたのだ。

決して上手とは言えないけれど、瀧野由美子がやさしく歌う姿はきっと見る人の心も身体もきれいにしてくれるはず。

兵頭葵のピアニカも見どころのひとつだが、たとえばこれが別の誰かのリコーダーになってもいいし、また別の誰かのハーモニカになってもいいし、なんなら鈴とタンバリンでもいい。展開の可能性も感じだ。

⑤街の灯り

最初聴いたときには何の曲かわからなかった。あまりに原曲のテイストからかなり遠くにいったようなアレンジで(いい意味で!)、これには自分の気持ちがかなりグラついた。なにが起こっているかわからないままに今村と由良の二人があまりに見事なデュオを演奏してるから頭が大混乱した。なんかすごい!と。

ちなみに岡田奈々さんがいない時には、今村⇒矢野、由良、岡田⇒今村の三人になるようで、両方のトリオも違ったハーモニーの魅力があっていい。

中村舞が舞ってはいってきた瞬間には自然と涙がこぼれた。

 

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間奏~~静まった会場に波音が流れる~~

⑥海へ来なさい

曲のタイトルとしてはド直球、しかし選曲としては変化球(笑)。だいたい今時の14,5歳の子が井上陽水歌うかな?って。もしかしたら親だって聴いてない、知らない世代かもしれない。個人的にはこのアーティストが相当苦手なのでちょっとのけぞってしまった。このあたりになると、この幕のコンセプトもわかってきてるので驚きはないのだけれど、曲とアーティストへの下手な先入観が邪魔してはいってこない。逆に、若い人たちがどんなふうに感じて受け止めたのかすごく興味がある。

~~おなじく波音を背景にしながら~~

⑦風を待つ

この圧倒的終着感!

海鳥たちが瀬戸内に帰ってきたことがわかる演出。冒頭の鐘の音。

ここまで、人々に歌い継がれてきた名曲たちを歌いながら昭和、平成と時空を巡る旅をしてきたのだけど、最後に「風を待つ」を聴いて思ったことは、やはりこの曲が「時代を超えた上質で普遍的なポップスである」ということ。

何度見ても何回聴いても「風を待つ」の良さを感じさせられる。さらに不思議なのは、前段「海へ来なさい」の歌詞、「♪海へ来なさい そして幸せになりなさい ♪」がスッと自分の中で消化されてること。音楽への個人の好み、好悪なんてちっぽけなもので、もっと俯瞰したテーマがこの幕の中にあって、そしてその最後を「風を待つ」が締めくくってるんだな感じた。

 

〇MCコーナー

「風を待つ」が終わると、通常のMCコーナーになる。特に二日目公演のMCは初日よりも各メンバーがグッとリラックスした感じて、前日よりは明らかに打ち解けていたし、みんなの口も滑らかだった。時間もたっぷりだったし、前半藤原、後半福田のMCが冴えわたっていて爆笑の連続だった。不思議と、収録がないときのほうがみんなおもろい話しするような気がする(笑)。

 

〇Act3 STU48

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 ①出航

STU48(瀬戸内ver.)

③ペダルと車輪と来た道と

④制服の重さ

 

〇間奏「KO・BU・SHI・Spirit」

それまでの前奏、間奏とはうってかわって、非常に引き締まったようなダンス。力強い決意が秘められているような。前段が女性的でしなやかな表現であったのに対して、これは曲線的というよりは直線的。いよいよSHOWも終わりに近づいてきたのだなと思わせる瞬間。

 

〇メンバー一人ひとり、最後の挨拶

瀬戸内の声(ピアノver.)を背景に流しながら、各メンバーが挨拶をする。みんな、初日と二日目、ちゃんと言うことが変わってた!両日とも自分の言葉で語っていた。この先、みんなどんな言葉を語っていくのかな?どんな言葉を紡いでいくのかな?そんな期待がある。初日の配信も、自分が見た二日目もとても感動的だった。しゃべりが下手だろうが、上手く言葉が選べなかろうが、なにより苦労してきた当事者が語る説得力と顔がある。胸が詰まった。

 

森下舞羽「この公演で私も知らないような、新しい自分に出会えました」

 

甲斐心愛「この船は私たちの家です。今日来てくれた人はもう私たちの家族です」

 

石田千穂「瀬戸内に来る入口が、このSTU48号だったらいいな」

 

由良朱合「私たちの全身全霊のパフォーマンスは皆さまの心に届いたでしょうか」

 

岡田奈々「新しいことに挑戦することは、いくつになっても勇気がいることです」「私は、目の前にあることを、いつもひたむきに頑張れるこのSTU48が大好きです」

 

背景の音楽のおかげもあって、グタグタにならずテンポもよくて、このあたりでもう相当な幸福感に満たされている。

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ダイアモンドが、

⑤夢力

〇後奏 「瀬戸内の声」(海のバグパイプ&ハリウッドオーケストラアレンジ)

この公演は全編を通して「瀬戸内の声」が随所で間奏として挿入されることで一つのテーマで繋がっている。「郷土愛」。

その中でも、最後のこの「瀬戸内の声」はスケールが壮大で、なにかよくわからないまでも、ひとつの大きな旅と物語をメンバーと同時体験したような気持になる。船の上での今まで遭遇したことのない不思議な体験が、この公演と船上劇場にはある。

パソコンの前では決して得られない、この船に乗らなければ絶対に感じることができない、湧き上がってこない感情がこのSTU48号にある。

 

EN1暗闇

EN2原点

イントロの4小節がリフレインされるなど、少し変化が加えられている。いまのところ、まだ何故かはわからない。

最後のラララは、観客と一体になったシンガロングになる。

 

曲が終わって最後に、瀬戸内の声が再び背景に流れる。すると客席の頭上にまた最初の幕が覆いかぶさってくる。すべての観客が視界を失い、一瞬前後を失ってしまう。そして、サッと幕が引いたあと観客が目にするのは、たった一本の旗。やらわらかい海の風に揺れる「GO!GO! little SEABIRDS!!」と書かれた旗だけが目の前にある。海鳥たちが何処にいったのか?それは見た人の想像の中でいいと思う。あぁ、ほんとに終わったんだなあと、じんわりと幸せな気持ちに包まれる。海鳥たちの無事な成長を願いつつ、自分も明日からがんばって生きていこう、そんな気持ちになった。

ありがとう!GO!GO! little SEABIRDS!! 

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みんないい顔してる!

 

                        (だいせんせ)