テーマは『表現力』、アンダーライブ広島と・・・

広島3
〇久しぶりのアンダーライブ参戦


 チケットが取れなくなって久しいアンダーライブ。今回幸運にもモバイル一次で当選!広島に行ってきました。前回参戦できなかった東北シリーズで一番気になっていたことは、多くの人が挙げていた「ちょっと劇みたいな感じ」とか、「舞台を意識したような・・」という感想。それらがどういうものなのか、頭の中で想像しながらも、実際には観ていないのでわからず、すごくモヤモヤした気持ちがあったのですが、シリーズ初日、広島でのライブがスタートした瞬間に、まさに開始の瞬間・・・、繋がりました。


〇「演劇的表現」を踏襲

 今回のアンダーライブのテーマは「表現力」。ライブ中のMCでひなちまが語ってくれました。みんなでいろいろ考えて取り組んだそうです。確かに、鑑賞しながら随所でそうした工夫とか変化を感じることができるライブでした。「演劇的表現」ということと絡めて、自分の印象に残ったパフォーマンスについて、幾つか感想を述べてみたいと思います。
①最初と最後のつながり?
 最初、ひなちまが清掃作業員に扮して登場してきます。床をモップで拭きながら、背後には各メンバーがマネキン人形のように突っ立っています。 滅私、或は無私的な主人公と無機的な人形のようなメンバーたち。この場面から「制服のマネキン」でライブはスタートします。それから約2時間、ライブは進行して一番最後の曲に「きっかけ」を歌います。全力で最後の曲を歌いきったメンバーは、舞台後方の“光の塊”の中に一人ひとり、ゆっくりと歩きだします。自分の意思で、自分で選択した道を行くように。全員が光の中に入るのを見届けてから、最後にひなちまが客席のほうに向かって小さく頷く。そして自分も光の中に歩み出して・・、終劇。

②一周して元に戻った「狼に口笛を」
 アンダーライブの当初、まだ「アンダースペシャルライブ」などの名称で開催されていた頃から、この曲は振り付けの変更が試みられてきました。当時のメンバーの、楽曲表現への意欲とかチャレンジだったそうで、より難易度の高いものを目指したとか・・・(ポートメッセ名古屋版、有明final版)。今回はよく知られている最初の振り付けに戻って、個人的には非常にしっくりきました笑。こうした変遷を辿って楽しめるのもアンダーライブの醍醐味のひとつだと思います。

③やわらかい「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」
 この曲にはいつも緊迫感というのか、緊張というのか、すごくシリアスな気持ちを特にイントロ開始から感じるのですが、この日の咄嗟のパフォーマンスはやや違っているように感じました。ダンスがピタリと揃っている様がかっこよくて特徴的なはずなのに、割とふんわり自由な感じに見えました。揃えて踊ることよりも、個人個人が自由な表現で歌って踊っているように見えました。大変新鮮でした。特に伊藤万理華はターンが普段より緩やかで、シャープさではなくてシルキーな動き。井上小百合は例のあの部分でかがまない!!情念で届けるような感じから、回想しながら歌うような、そういう変化。目から鱗、ほんとに新鮮で驚きました。

④ラストの5曲はピアノ伴奏でずっと繋がっている
 「何度目の青空か」
 「君の名は希望
 「命は美しい」
 「自由の彼方」
 「きっかけ」
 この5曲、曲の終わりが実は終わりではなくて、ピアノ伴奏で切れ目なくずっと繋がっていました。何空が終わっても曲が途切れないので、最初、「もしかして新録音なの?!」と思って観てました。希望が終わって命は美しいにつながる時に、上手くピアノ伴奏を繋げたものだとわかりました。でも、まるでステージ横で誰かが実際にピアノを弾いてるんじゃないかと思うくらい自然で、5曲の連続した繋がりを一つの構成にしてるんだ、ということがよく感じられました。特に、君の名は希望が終わり、命は美しいに続く時の伊藤万理華のアダジオ(バレエ)。見事!曲の旋律、動きにあわせて踊り、舞う。即興的なようにも見えたし、ドガの絵画から抜け出てきたような美しさ、身体表現だった。

⑤うたうこと
 生歌で歌うことに関しては、自分はバランスを取りながらでいいと思っています。振り付けによっては生でないほうが効果的な場合もあるだろうし、、そのステージ全体の演出の中で効果のある使い分けをすればいいと思っているので、全部生で歌えとは全く思っていません。ただ、生の歌声を聴かせてくれることはほんとに嬉しいし、以前からアンダーライブはその傾向が強い。今回のライブで一番いいと感じたのは「自由の彼方」。かなり音の動きを意識しながら歌わないと、すぐに音程を外してしまいそうな難しい曲だと思います。それがすごく揃っていてしみじみと、いい曲だなーと思いました。
最後全員で、♪ じゆうのかなたー ♪とユニゾンで揃えるところ、感動しました。もう一度体験してみたい。

世界樹
 毎度のことながら、派手な舞台装置とか特効がない簡素なステージ。床に養生テープがペタペタと貼ってあって、立ち位置表示がよく見えます笑。そんな簡素なステージだったのですが、「命は美しい」の時だけ、木のセットが登場します。真ん中で大きくくびれた木。この曲のMVで登場した、あの木を思い起こさせるように感じました。もちろん、解釈などはわかりませんが、「生命の木」と感想を言う人もいれば、伊藤万理華はブログで「生命力を感じる血管が伝ったような木」、と自分なりの表現をしていました。なるほど!



伊藤万理華井上小百合がアンダーライブに帰って来た!

 ライブの翌朝、興奮気味にツイート。

アンダーと選抜に関する難しい議論はよくわかりません。ただ単純に、この二人の「魅せる力」はすごいなと思いました。ライブの中心的存在であったことは間違いないと思います。


〇「表題曲をアンダーメンバーが歌うこと」その逆を考えさせられた「西日本選抜」

 今回のライブでは、表題曲「裸足でsummer」を19人編成で歌いました。とても良かったです。“サンダル脱ぎ捨て隊”に鈴木絢音ちゃんがいて、すごくかわいかったですね(推し補正)。毎回、アンダーメンバーが披露する表題曲、どれも評判がいいと思います。ところが、選抜メンバーがアンダー楽曲を披露する機会ってありそうで無い。たぶん?無い?

 アンダーライブとは関係ないのですが、かつて生田絵梨花をセンターにして、両隣に西野七瀬伊藤万理華というフロントの布陣で、「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」が披露されたことがありました。2014年秋、なんばHATCHで開催されたスペシャルライブの中での一曲です。選抜、アンダー、研究生(当時)を分け隔てなく混ぜ合わせてバッサリ二つに分けた「西日本選抜」として披露されました。この時の良さ、斬新さが今でも忘れられず、たとえ選抜メンバー全員でなくてもいいので、例えば西日本選抜(東日本選抜)のようなかたちでもいいので、アンダー楽曲にだって、もっと多様性があればいいのになと思いました。
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〇最後に、『背中を押すもの』

 やはり座長の樋口日奈さん。落ち着いた佇まいの中に、外連味のない自然な美しさと気品。よく言われていることですが、まだ十代なんですね。舞台経験もじゅうぶん積んでいるせいか、ダンス、歌、MC、動き全般に渡って安心して見ていられるような感じ、この人なら委ねても大丈夫だなみたいな安心感がありました。もちろん本人にとってはドキドキだったと思うのですが・・。乃木坂は「層が厚い」とか言われますが、ほんとに「層が厚い」としか言いようがないと思います笑。誰一人とっても魅力的でしかない。最後の挨拶も非常に素晴らしかったと思います。「きっかけ」という楽曲の世界観と、自分達の境遇、未来を上手につなげてお話ししていました。残念ながら文書起こしは出来ないのですが、おそらく『背中を押すもの』と題される名文になるはずです。大変感動的な挨拶だったと思います。「いいライブだったよ!ありがとう!」とお伝えしたいです。

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                         (ライター:だいせんせ)



後記:
広島で出会ったたくさんの方々、ありがとうございました。広島のことが大好きになりました。広島最高!